クールな同期が私だけに見せる顔
「いえ、そうはいきませんって。
こいつ、まだ、俺のもんなんで。
あなたこそ、勝手に、人の彼女をこんなところに連れ込まないでください」
「人の彼女?そうじゃないだろう。晴夏はそう言ってなかったぞ」
俊介さんも引かずに答えた。
「今は、ちょっとケンカしてるだけです。すぐに仲直りします。
だから、別れるつもりありません。
帰ったら、分かるまでじっくり言い聞かせますから」彼は、最後に私の方を見て言う。
「何を言い聞かせるんだ?無理強いは止めろよ。
とにかく、晴夏から身を引いてくれ。お前なら、すぐに別の相手も見つかるだろう」
「嫌です」
「晴夏は、お前みたいに、いろんな相手と付き合うタイプじゃない。
こいつを泣かすくらいなら、俺が引き受ける」
俊介さんが省吾に近づいていく。
「中谷さんもう、あんたには、関係ないことでしょう?」省吾も負けてない。
「いいや。俺は、晴夏に聞く権利がある。
お前は、晴夏一人に絞るなんて無理だろう?
晴夏だけにしろって言われても、お前には、無理だろう?沢井」
「あなたには、関係ない。晴夏、行くぞ」
省吾は、私を抱えたまま部屋の外に連れて行こうとした。
「待てよ」俊介さんが呼び止めた。
凄い剣幕で、省吾が吠えた。