クールな同期が私だけに見せる顔
なのに、省吾に顎をくいっと持ち上げられて、軽く上げられる。

「どうしてそんなこと知ってるの?それは、どういう事かな?
まさか見たってことは、晴夏ちゃん俺んちに来たの?」

「い、いいえ。行ってなんかいないわ」

「嘘ついちゃダメじゃないか。
俺の部屋に人が入るかどうか見えるのは、マンションの建物の中にいたってことだろう?
通りがかりじゃ、全然見えないからな」


「ちがう」私は必死に否定する。

「へえ、晴夏ちゃん。わざわざ俺に会いに来たんだ。それって、いつのこと?」

「し、知らないわ」

「勘違いしたっていうのは、女のことだろう?
別の女が、俺の部屋に入ったのを見たんだな?なら、土曜日だよな。それも午前中だな」

「何のことかしら」

「へえ、その日晴夏ちゃん、わざわざ訪ねて来たの?」

「会いたくなったわけじゃないわ」

「それなら何しに来た?
嘘つくなよ。君は、俺に会いたくなって部屋を訪ねて来たんだ。
それは、どうしてかな?俺に何して欲しかった?
こうして抱きしめて欲しかった?」
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