クールな同期が私だけに見せる顔


『じゃあ、聞くけど、省吾は、どうしてそんなに嫌がるの?』

ホント、何やってんだか。

やましいことなんかないんだ。

あんな写真一枚で、なに動揺してんだ俺。

晴夏に見られるのを必要以上に恐れてる。

何年も前の写真なのに。

不意に頬にキスされてどうしようもなかったって言い訳できるのに。

こんなの見られて、晴夏を失望させたらどうしよう。

やっぱり、中谷さんの方がいいって言い出したらどうしよう。

もともと彼と勘違いして、俺に抱かれただけだし。


あいつ、俺のこと好きだって訳じゃない。

情が湧いて、何となく付き合ってるだけ。

こんな写真見たら、やっぱり俺のこと信用できない、元の男の方がよかったって言い出すかもわからない。



――沢井君?今、マンションの近くまで来たところなの。建物は分かると思う。部屋番号っていくつだっけ?

――505だ

――了解。もうすぐ着くわ

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