クールな同期が私だけに見せる顔
オフィスからかけて来てるのかと、心配になるほど声を大きくして言う。
「聞かなくても分かります」
「仕事の話かもしれないじゃないか」
「だったら、最初からそういうでしょう?
それに、あなたとは、仕事の接点ありませんし」
「いいじゃないか。別に。お前、夜は、どうせ予定ないんだろう?」
「ないんだろうとは、何よ」
「じゃあ、七時に。その頃には、そっちに行けると思う」
「そっちって、どっちよ」
「決まってるだろう?」
「くるな」
「なんだよ、それ。もっと可愛くした方がいいぞ」
カラカラとよく笑う。
いつもの笑い声が聞こえる。
こいつの笑い声なんかに、騙されてはいけない。
ここは、ハッキリと意思を伝えないと。
昨日のうちに、気持ちを切り替えるため、冷たいシャワーまで浴びた私の努力は、どうしてくれる。
「大きなお世話です。それに、来てもらっても会いませんから」
「じゃあさ、こうしよう。
取りあえず今日は、俺、お前んとこ行くわ。
入れてくれなくてもいいから。
ドアの外で待ってる。
まあ、そういう事だから」
取りあえず?
取りあえずって、何よ。