クールな同期が私だけに見せる顔
数時間後。あっという間に終業時間になってしまった。
省吾からの電話の後、気が散って作業に集中できなかった。
あいつ、いったいどういうつもりでいるの。
気になって何度も作業の手が止まって、能率が上がらない。
私は、作業をあきらめて会社を出ることにした。
よく考えたら、早く帰って部屋にこもってたら、省吾の思う壺ではないか?
省吾の事ずっと待ってたみたいだし。
それに、彼が部屋の前で待ってて、何もしないで放っておけるのか?
彼に玄関で騒がれたら、どうしたらいい?
彼を部屋に入れないわけにはいかなくなる。
やっぱり、あいつ何か考えてるよ。
いない方がいい。顔を見ると、ろくなことがないんだから。
それなら、どここかで時間をつぶして、ほとぼりが冷めたころ家に戻ろう。
そうと決まったら、さっさと会社をでよう。
私は、パソコンを閉じて帰り支度にかかる。
「あれ?もう上がり?」美登里さん、私の行動に気が付いた。
「ええ、ちょうどキリがいいので」
「ん、そう」美登里さん、うーっと伸びをしてから携帯を手にした。
今のうちだ。さっさとずらかろう。