クールな同期が私だけに見せる顔


『幸せな気分?』

今、幸せって言わなかった?

なに、幸せって。体が舞い上がって宙に浮きそう。




もしかしたら、私。

省吾に告白されて幸せだったの?

マジか……

あの、広い胸でぎゅっと抱きしめられて、キスされたいって思ってた?

YES。

百回ぐらい叫びたい。省吾が私のこと好きだって言ってくれるなんて奇跡だ。


私、鈴木晴夏は、沢井省吾のことが好きです。

かっと体が熱くなる。

勘弁してほしい。

こんな時に、省吾のこと好きだなんて知りたくない。



「晴夏……」

「何?」


「キスしようか?」彼がにじり寄ってくる。

「はあ?」体が硬直する私。

「なんでキスなんかすつかなあ。今日は、もう、いっぱいいっぱいです。明日にしませんか?」

「お前、何言ってんだよ。ダメに決まってるだろ?なんか、こう、もやもやする」
いつもの素っ気ない言い方じゃない。

彼は、うっとりするようなまなざしで、本当に恋人に話しかけるように語りかける。


「知りあってから長いし、もう、今さらって感じだけど。
晴夏と向き合ってキスしたい。君がどんな反応をして、どんな顔するのか見てみたい」


頼むから。


真顔で言うな。


そんなこと。

本当に、惚れてしまうだろう。


もう、惚れてるか……

もうダメ。

さっきから、その腕に触れたくて仕方がないです。
ああ、もう飢餓感半端ない。

完全に落ちてるじゃないの。
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