クールな同期が私だけに見せる顔
「なあ、晴夏?」
「なに?」
彼が距離を詰めてくる。
来るな。
来ないでください。
心拍数上がっちゃうし。
その整った顔、遠巻きに見たって迫力あるし。
ソファの端に追い詰め、逃げられなくなる。
「晴夏、こっちを見て……」
「なに、省吾?」
私は膝を抱えて、膝小僧の間に顔をうずめる。
彼の顔が見られない。
きっと真っ赤だから。私の顔。
ダメ。絶対見ない。見るもんか。
一生懸命丸まってたのに、彼の逞しい腕にひょいと引き寄せられた。
頭のてっぺんや首筋、いろんなところにキスされ、優しく抱きしめられ、ふわっと彼の香りに包まれる。
「晴夏、俺のこと好きか?」
油断してた。彼が私の両脇の間に手を滑り込ませてくる。
脇から腕を入れられて、膝の上に乗せられた。
彼に後ろから抱かれて、耳にキスされる。
体が面白いようにピクンと反応する。
腕をほどいて顔を上げたら、目の前に彼の顔があった。
そのまま、無防備なまま、きれいな彼の瞳を受け入れてしまう。
何か言いたげな目。
熱のこもった、私に何かを訴えたいという目。
ズドンと正面からやられてしまった。
私は、力尽きて彼の腕の中に倒れ込む。
「なあ、今は好きじゃなくても、少しずつ近づけばいい」
彼は、私の頭を抱きながら優しく言う。
「ん……」
もう、何にも言えない。
「晴夏からキスして?」
もうダメ。
完全にやられてしまったみたいです。
私は、ほんの少し前に出て彼の唇にキスをした。
おかしいくらい、足ががたがた震えて。全身でも体を震わせて。
緊張してるのが、彼にも伝わったと思う。
それなのに。
こいつ、なんてこと言うんだろう。
本当に好きな女目の前にしてるっていう、うっとりした目で見て。
「ああ、いいな。好きだって思える女からキスしてもらうのって、最高の気分だね」
最高に、キラキラした笑みをこっちに向ける。省吾、そんな顔したりするんだ。
「省吾お願いだから、からかわないで」