クールな同期が私だけに見せる顔
省吾は、相手の感情を確かめるように少しずつ、激しいキスと優しいキスを繰り返す。
強引にキスされた後は、今度は、そっと触れるような優しくキスをする。
省吾って、こんなふうにキスするんだ。
省吾のキスを、知ることになるなんて。
顔がみるみる赤くなる。
彼に対しては、知らないことも多かった。
「晴夏?」
「ん?」
「俺の名前呼んで……」
「なに、省吾」
彼は、それじゃ、ダメだって言いながら笑って離れた。
そうして、私の顔をのぞき込んでいる。
「なんだよ、その心のこもってない言い方。やり直し」
「やり直しって?」
「俺には、100回でもキスしてくれ。そう言う権利があると思うけど。
この間は、お前、俺の腕に居ながら、別の男の名前、呼んでただろ?」
私は、驚いて省吾を見た。
なに、それ。
「なんのことよ」
と言いながら、ぼんやり思いだした。
思い出して、彼のいうことは理解していた。
私は最初の頃、俊介さんと間違えてたんだ。
「省吾、今は、ちゃんとわかってるから」
「本当に分かってるのか?
抵抗するってひどくないか?俺とじゃ嫌なのかよ」
省吾は、そう言って私を突き放した。
「ごめんって。省吾」
私は、彼の頭を胸に抱きしめる。
躊躇してるのは、その事じゃないって。