フラワーガーデン【アリシア編】
「ごめんなさい」
「ふっ。そのまま僕に体を預けていなさい」
エドは私の片足を乗せたまま『南国のばら』の軽快な音楽に合わせて、大広間を端から端まで堂々としたステップで移動していく。
まるで羽が生えたみたいに体がふわっと軽くなり、ドレスが光を弾いて花のように開く。
周りから「わぁ!」と歓声と拍手が挙がる。
してやったりとイタズラっぽく笑うエドのウィンクに、私は目を逸らす。
踊り疲れて、私が椅子に座ると、「ジュースでも持ってきましょう」とエドはウェイターの方へと歩いていく。
だけど、彼はたちまち女性達に囲まれて、ダンスを申し込まれていた。
彼は困ったと言う顔で私の方をちらっと見る。
私は目で椅子に座ったまま「どうぞ」と彼に合図を返す。
煌びやかなパーティ
ワルツを楽しむ燕尾服にイヴニングドレスの紳士淑女達
華やかで
賑やかで
すごく……賑やかで……
でも、私の見る世界は何もかもが色彩を失い、灰色の風景に塗りつぶされている。
彷徨う視線は、ジョージの笑顔を思い出しては、現実に引き戻されてしまう。
意に沿まないこの婚約を止めて、ジョージの腕の中に還りたい。
還りたいの……。
「ふっ。そのまま僕に体を預けていなさい」
エドは私の片足を乗せたまま『南国のばら』の軽快な音楽に合わせて、大広間を端から端まで堂々としたステップで移動していく。
まるで羽が生えたみたいに体がふわっと軽くなり、ドレスが光を弾いて花のように開く。
周りから「わぁ!」と歓声と拍手が挙がる。
してやったりとイタズラっぽく笑うエドのウィンクに、私は目を逸らす。
踊り疲れて、私が椅子に座ると、「ジュースでも持ってきましょう」とエドはウェイターの方へと歩いていく。
だけど、彼はたちまち女性達に囲まれて、ダンスを申し込まれていた。
彼は困ったと言う顔で私の方をちらっと見る。
私は目で椅子に座ったまま「どうぞ」と彼に合図を返す。
煌びやかなパーティ
ワルツを楽しむ燕尾服にイヴニングドレスの紳士淑女達
華やかで
賑やかで
すごく……賑やかで……
でも、私の見る世界は何もかもが色彩を失い、灰色の風景に塗りつぶされている。
彷徨う視線は、ジョージの笑顔を思い出しては、現実に引き戻されてしまう。
意に沿まないこの婚約を止めて、ジョージの腕の中に還りたい。
還りたいの……。