強引社長の不器用な溺愛
玄関先でお母様が追い付いてくる。


「東弥!あんたって子は、本当に!新年の会くらい最後まで参加しなさい!」


「すみません、母さん。ですが、俺も仕事があるので」


社長は冷淡というほどではないにしろ、感情薄く詫びる。
それがお母様を苛立たせているようだった。

結局、親子の会話はそこで終わり、社長は革靴を引っ掛けて先に玄関を出てしまう。

後を追おうと、お母様に頭を下げる。すると、お母様が私の右腕をがしっとつかんだ。
おののきながらも、反射で笑顔をつくる私。
自分でも器用でホントびっくりですわ。

小柄なお母様は私を見上げ、強めの口調で言った。


「絹さん、東弥の将来のこと、考えてくださるわね?」


意味がわからなかった。

というか、この場に来てから、ほとんどのことが飲み込めていないし、整理がついていない。


「は……はい」


ひとまず、お母様のあまりに真剣な瞳に気圧され、私は頷いた。


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