強引社長の不器用な溺愛
「心の中にあの風景があるって感じですか?……はは、少しロマンティック過ぎたかな」


「いえ。清塚さんのおっしゃる言葉でドンピシャです。住んでいた頃は、雪かきは大変だし、通学もスカートの下にジャージはくし、苦労も多かったんですけどね。離れてみると優しい気持ちで愛しく思える」


「兄弟みたいなものですね」


「ええ……」


なぜか、脳裏に八束社長の顔が浮かんだ。
近すぎたらイライラする。だけど、離れたら……優しくなれる?

待って待って。
今は清塚さんとごはんしてんの!故郷の雪の話をしてんの!
あんな男のことを思い出すのはやめ!なし!

だって考えてみてよ。

私にとって久しぶりの男性とのデートよ?
ちょっと仕事絡みだけどさ。
目の前に、非の打ち所がないイケメン。
理系な草食系で、どっかのうるさいガキ大将社長とは真逆!
しかも、ちょっとあちらの好意的なものも感じる。

もういいじゃない、社長はさ!
この前のことでお互い手打ちってことで。

そうだ、本格的に清塚さんとお付き合いできそうか考えてみよう。

年齢的にも同世代に入ると思うし、学歴、仕事はばっちり。
性格は純情そうなところがいいし、顔もカッコイイ!

私ともっと喋りたい、私のことを知りたいってオーラも出てる。
東京と新潟だけど、愛を育むのが新幹線だっていいじゃない。

これは……篠井絹、一生に一度あるかないかの良縁の予感!
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