強引社長の不器用な溺愛
「今日、来たのはですね。僕からあなたへの謝罪です。東弥の気まぐれで巻き込んでしまった絹さんに謝りたくてきました」
「私にですか?」
不可解な謝罪の構図に私は首を傾げた。
私は社長の嘘に加担した側ですけど。
「東弥が婚約なんて嘘をついたのは、何より私のためなんですよ」
「え?」
お兄さんのために婚約した?なにそれ。
要領を得ない顔をする私のために、幸弥さんはゆっくりと語り出した。
「うちの家業はご存知でしたか?」
「いえ、恥ずかしながら、先日の新年会で初めて知りました。“さこた屋デパート”の経営をされているんですね」
「うちは分家です。亡き祖父は曾祖母の三男で、代々呉服屋を営んでいた八束の家に婿入りしました。その際、グループ企業として、“着物のさこた”を開業したんです。さこた屋デパートには必ず店舗を構え、路面店も、近年は地方のショッピングモールにも店舗を持てるように成長しました。現在の社長は父、私も手伝いはしています。東弥は“着物のさこた”の正統な後継者なんです」
正統な?
その言い方が気になった。
そういえば、大お祖母様も「幸弥に譲った」なんて言い方をしていたことを思い出す。
「私にですか?」
不可解な謝罪の構図に私は首を傾げた。
私は社長の嘘に加担した側ですけど。
「東弥が婚約なんて嘘をついたのは、何より私のためなんですよ」
「え?」
お兄さんのために婚約した?なにそれ。
要領を得ない顔をする私のために、幸弥さんはゆっくりと語り出した。
「うちの家業はご存知でしたか?」
「いえ、恥ずかしながら、先日の新年会で初めて知りました。“さこた屋デパート”の経営をされているんですね」
「うちは分家です。亡き祖父は曾祖母の三男で、代々呉服屋を営んでいた八束の家に婿入りしました。その際、グループ企業として、“着物のさこた”を開業したんです。さこた屋デパートには必ず店舗を構え、路面店も、近年は地方のショッピングモールにも店舗を持てるように成長しました。現在の社長は父、私も手伝いはしています。東弥は“着物のさこた”の正統な後継者なんです」
正統な?
その言い方が気になった。
そういえば、大お祖母様も「幸弥に譲った」なんて言い方をしていたことを思い出す。