強引社長の不器用な溺愛
「母も私も硲田と八束の家にはかかわらずに生きていくつもりだったんですが、私が中学に上がる年、母が病で呆気なく逝ってしまいました。行く宛のない私を八束の父が拾ってくれたんです。義母を説得し、迎えてくれた父を恨むことはできません」
裏を返せば、幸弥さんはお父さんを恨んでいた時期もあったということだろう。
そりゃそうだよね。
幸弥さんからしたら、自分とお母さんを幸せにできなかったお父さんに怒りくらい覚えて当然だ。
「私を救ってくれたのは3つ下の東弥でした」
幸弥さんが明るく言った。
その言葉の持つ温かみに、やはりこの人が社長を大事に想っていることが伝わってくる。
「東弥は本当にいい子なんです。私が家に来た時、東弥は小学生でした。急に現れた私を兄ちゃん兄ちゃんと慕ってくれて、義母との間に軋轢が生まれないようにと、自分が道化役を演じても父母を笑わせてくれました。私が世を恨まず大きくなれたのは東弥がいたからです」
「社長が……。そうだったんですか」
ガキ大将みたいに騒がしく、我儘勝手で、迷惑をかけるのが日常茶飯事な八束東弥が、そんな気の付く子どもだったなんて。
言われてみれば、少しだけ想像がつく。
あの人が魅力的なのは、人を笑顔にさせるのが上手だからだ。
基盤は家庭にあったのか。
家族を笑わせたい……それがあの人の魅力の根源だとは思いもよらなかったよ。
裏を返せば、幸弥さんはお父さんを恨んでいた時期もあったということだろう。
そりゃそうだよね。
幸弥さんからしたら、自分とお母さんを幸せにできなかったお父さんに怒りくらい覚えて当然だ。
「私を救ってくれたのは3つ下の東弥でした」
幸弥さんが明るく言った。
その言葉の持つ温かみに、やはりこの人が社長を大事に想っていることが伝わってくる。
「東弥は本当にいい子なんです。私が家に来た時、東弥は小学生でした。急に現れた私を兄ちゃん兄ちゃんと慕ってくれて、義母との間に軋轢が生まれないようにと、自分が道化役を演じても父母を笑わせてくれました。私が世を恨まず大きくなれたのは東弥がいたからです」
「社長が……。そうだったんですか」
ガキ大将みたいに騒がしく、我儘勝手で、迷惑をかけるのが日常茶飯事な八束東弥が、そんな気の付く子どもだったなんて。
言われてみれば、少しだけ想像がつく。
あの人が魅力的なのは、人を笑顔にさせるのが上手だからだ。
基盤は家庭にあったのか。
家族を笑わせたい……それがあの人の魅力の根源だとは思いもよらなかったよ。