強引社長の不器用な溺愛
「変な男に騙されろって言うんですか?」


「社長は変な男じゃない。男気溢れる素敵な人よ。ちょっと適当で、ちょっと豪快だけど。あと、ちょっと面倒くさいけど」


後半のマイナス要素が結構大きい。
知ってるよね、沙都子さん。知ってて言ってるよね。


「きぬちゃん、社長と結婚するの?」


清子ちゃんが口を挟んでくる。

ああもう、賢いな、このお子様は!
要点をがっつりつかんで、突っ込んでくる4歳児って!


「しないよー、さやちゃん」


「なんで?結婚したらいいのにねえ、ママ」


沙都子さんがにっこりと微笑む。


「結婚は素敵だけど、その前にふたりは大事なイベントがいくつもあるのよ。見守りましょう、清子」


うんと元気よく頷く清子ちゃん。
おーい、娘に何を教えとんのか、お姉さん!

私はこの数分のやりとりで、すっかりやつれ、首を左右に振りまくった。


「沙都子さん、私無理。社長とは何も想像もできないし、今は忘れる方向で調整してます」


「あら、そうなの?残念ね」


沙都子さんは全然残念そうじゃない。
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