強引社長の不器用な溺愛
「早く、調子が戻るといいわ。社長だって、絹さんがそんな感じじゃ、いずれ気にしだすわよ」


うぐう。痛いところを一撃された。
確かに沙都子さんは勘がいいし、私の本性的な部分を知ってる人だけれど、実質べったり一緒にいる社長だって、私の異変くらいそのうち気づく。

ああ、ゆうべだって、私的にはうまく乗り切ったつもりだけど、やっぱり変な態度とっちゃってたかも。
今更、すんごい心配になってきた。

ため息をつきつつ、メインを選ぶ私であります。



食事が終わったのは19時と早い時間だったけれど、清子ちゃんは疲れて眠くなった様子だ。目をこすり、ふらふらしている清子ちゃんを私は抱き上げた。
改札まで送ることにする。


「重たいでしょう?」


「うーん、まあまあ。でも連れて帰る沙都子さんが大変かなって」


「電車、そんなに混んでないから座れるわ。三鷹駅の駐輪場に自転車を停めてあるし」


「飲酒運転~」


「もう。ちゃんと押して帰るったら」


寝落ち寸前の清子ちゃんが身じろぎし、私はあわやとり落としそうになって慌てた。
沙都子さんが手を伸ばし、サポートする。

その瞬間、沙都子さんの顔がぐっと近づいた。

私の唇の左横すぐに押し付けらた柔らかな唇。

感触が去っていき、私は彼女を見返す。
死ぬほど驚いた顔でおそらく真っ赤になりながら。
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