蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
蘇芳先生は、薫子に、前みたいに笑ってほしくて、違う専門科の医師だったが、仕事面で薫子を支え、仕事に生きがいを感じた薫子は、みるみるうちに、元気を取り戻し、仕事に打ち込むようになり、それと同時に笑顔も、取り戻した。

友人として、薫子を助けてやりたかっただけだ。

しかし、薫子には、そうではなかった。

いつも不機嫌で無口な蘇芳先生が、自分の為に色々としてくれたのだ、勘
違いしてもおかしくない。

だが、蘇芳先生は何度も薫子に言ってきた。自分のしている事は友人としてやっている事だと。

「もっと周りを見てみろ…俺以外に良い男なんて、掃いて捨てるほど居る」

「…そんなものいらないわ。…私には、秀明、貴方が居れば、それでいいの」

…薫子は、他の男に目を向けるのが怖かった。

…また、深く傷ついてしまう事が。

…そんな薫子を、想い続ける男がいる事なんて、薫子は知らない。

それを知ってるのは、実は蘇芳先生なのだが、その人物に口止めされている。
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