蕩けるくらいに抱き締めて(続き完結)
もちろん、そのつもりで、お泊まりセットを持ってきた雪愛だったが、可愛い
蘇芳先生をもう少し見たくなり、ちょっと意地悪をしたくなった。

「…片付けたら、帰ろうかと」

雪愛の言葉に、蘇芳先生はギョッとした顔をした。

「…ダメだ。帰さない」
「…」

雪愛の目の前まで来た蘇芳先生は、雪愛の両肩を掴み、真剣な顔で言う。

…帰さない、というより、帰ってほしくないという顔だ。

「…明日は、大事なオペですよね?私がいると、ゆっくり出来ないかと…」
「…帰られた方が落ち着かない」

「…蘇芳先生?」
「…本当は、ずっと、この家にいて欲しいくらいなのに」
「…へ?」

本心を告げた蘇芳先生の顔は、なんだか赤い。恥ずかしいらしい。

雪愛は、思いがけず、蘇芳先生の本心を聞き、変な声を出した。

「…あ〜もぅ…今のは、聞かなかった事にしてくれ」

…いつの間にか耳まで赤くなっている蘇芳先生は、キッチンから逃げ出そうとする…が、雪愛は、蘇芳先生を捕まえた。
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