何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「あの店でホストしてたら、女の事をただの金づるにしか見えなくなってさ……。
いつも腹の中では馬鹿にしてたんだ」

「……」

「でもよ……ある客に惚れちまって……。
どうしたらいいか分からなくなっちまって……」



NO1が語る悩みは意外なものだった。

この人の事はよく知らないが恋愛には興味ない、というより軽そうなイメージがあったから。
だから1人の女性の事でこんなに悩んでいるなんて想像もしていなかった。



「その人とは仲が良いんですか?」

「……最初は俺を指名してたんだけどよ……
レイが入ってからはアイツに乗り換えてな」

「……それって……」



その言葉に私はある光景を頭に浮かべていた。



1週間前


ホストクラブの隣の路地裏で泣いている女性を慰めていた時、影から哀しそうに見ていたNO1。


もしかして……。



「この前の女の人?路地裏の……」



そう聞けば分かりやすいくらいに反応していた。
ピクリと揺れる肩、真っ赤に染まる顔。



「ち……ちがっ……!!」



そんな裏返った声で言われても説得力がないんだけどな……。
苦笑いを浮かべながら、NO1を落ち着かせるように口を開く。



「分かったから、少し落ち着いてください」

「お……おぅ……」



この人こんなに分かりやすい人だったんだ。
レイヤに嫌がらせをしていたところしか知らないから嫌な人だとばかり思っていたけど……。
本当は優しい人なのかもしれない。
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