何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「やっぱり自分の気持ちは伝えた方がいいと思います」

「……それがよーレイが店を辞めてからパタリと来なくなっちまってなー。
連絡先も何も知らないからどうしようも出来ない訳よー!」



ウイスキーを片手に机に突っ伏すNO1。
もう何杯目か分からないウイスキーを飲みながらNO1は笑い出す。



「はぁー俺って馬鹿だよなー!」

「ちょっと飲み過ぎですよ!
しかも、零れてます!」



机に上半身を預けながら飲んでいるからウイスキーが水溜りを作っていた。


すっかり酔っ払ったNO1はその水溜りに手を突っ込みながら遊んでいた。
このまま放置すればどんどん悪化しそうだ。


このお店にも迷惑を掛けてしまうかもしれない。
ハァッとタメ息をつきながらオシボリでウイスキーを拭いていく。



「なぁーお前っていい女だよなー」

「何ですか急に……って!手を握らないで下さい!」

「いいじゃん……俺さー……寂しんだよねー。
心も、体も……」



私の手に重ねる様にNO1の手がのっていた。
最初は軽く触れるだけだったのに、次第に触り方が厭らしくなっていく。



「やめて下さい」

「なぁ……俺とイイ事しない?」

「好きな人がいるのにそんな事言っちゃ駄目ですよ」

「別にいいじゃーん?どうせ上手くいかないんだし~」



NO1が上目遣いをしながら私を見てくる。



「いい加減にしないと怒りますよ」

「……怒れよ……怒ってくれよ……」



そう呟くとNO1はそのまま目を瞑ってしまった。



「え……?ちょっとまさか……」

「んー……」



寝てる?ってか寝るの早くない?
スースーと寝息を立てながら目を閉じるNO1のまつ毛が少し濡れているのが分かった。


それを見ると少し哀しくなった。
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