何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「この人は本気で恋をしているんだ……」



私の小さな声は店の騒がしさに消えていく。


この人の苦しみとか、辛さとか、私には分からない。
だけど、応援したいって思う。


こんなに真剣に人を好きになれる人が苦しむなんて間違ってる。
それに……あの女性にも幸せになって欲しい。


涙でいっぱいになったあの目を思い出すと、ギュウッと胸が痛くなる。


あの日、泣いている彼女に何も言えなかった事や路地裏から去っていく彼女の背中を見送る事しか出来なかった自分が情けなくて……。


凄く悔しかった……。



「……頑張れ、NO1……」



未だに自分の手に重なっているNO1の手を空いていた方の手で包み込む。


貴方の気持ちがあの女性の心を救ってくれます様に……。
貴方自身が幸せになれます様に……。
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