何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
体にだるさを感じながらも、ゆっくりと目を開けば拓哉さんの体が目に映った。
彼に抱きしめられる様にして眠りについてしまったんだ。


腰に走る痛みや、彼と私の体に何も纏われていないのを見れば昨日の光景が頭を横切った。
あのままそう言う流れへとなっていったのだ。


結局、私が昨日何をしていたのかとはうやむやになったけど、大丈夫だろうか?
そう思っていれば私を抱いていた腕がピクリと反応した。



「起きたのか?」

「は……はい、おはようございます」

「あぁ、おはよう」



拓哉さんはまだ眠たいのか、私の体を強く抱きしめるとゆっくりと目を閉じた。
そして寝息の代わりに、低い声が私に向けられた。



「っで、昨日は何をしていたんだ?」

「え……」



先程感じた不安が形へとなって現れる。


さっきまで普通だった心臓がトクンと音を立てる。
それは心地よい物なんかではなく、嫌な胸騒ぎを感じるようなものだった。


ドクンドクンと脈打つ心臓。
拓哉さんに聞こえてしまうのではないか、不安でつい距離を取ってしまいそうになる。


でも、腰を強く引かれたせいで私たちの体の距離は限りなく0へと近づいた。



「お前が俺の事を好きだと言う事は分かった。
しかし、昨日何をしていたかはまだ聞いていない。
俺がお前を嫌いになる事はない、だから正直に話せ」



背中へと回された手がスーッと下まで撫で下ろされる。
くすぐったいという感覚と、怖いという感覚が交互に私へと降り注がれた。


どうすればいいの、そう考えるより早く口が動いた。
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