何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「何だよこれ?」

「クッキー」

「いや、そうじゃなくてよ……。
何で俺に……?」

「お礼……かな?」



疑問形で言う私が面白かったのか、遥斗はプッと吹き出し顔を緩めた。



「何で疑問形!?しかも顔紅いし!!」



ゲラゲラと笑う遥斗の腕を軽く叩く。
別に顔なんて紅くないし。
何処に紅くなる要素があるのよ、そう思いながら遥斗から視線を逸らす。



「なに怒ってんだよ!?事実だろーが」

「事実じゃないもん」

「拗ねんなよバーカ!」

「あっ……」



横を向く私の頭にポンッと何かがのった。
それは、遥斗の大きな手だ。


頭から伝わる温もりにジワリと頬が熱くなった。



「……遥斗」

「ん?」



ゆっくりと遥斗の顔を見上げれば、軽く首を傾げながら私の言葉を待っていた。
何か恥ずかしいけど、ちゃんと伝えなきゃ、そう思って口を開く。



「この前はありがとう。NO1を代わりに送ってくれて。
それと……病院のアリバイまで作ってくれて。凄く助かっちゃった」



改めてお礼を言うと、少し照れくさい気もする。
でもちゃんと最後まで伝えられた。


もう1度『ありがとう!』と言って笑顔を浮かべれば遥斗はいきなり私の顔を無理やり下へと俯かせた。



「きゃあ!?何!?」」

「……ちょっと黙って下向いてろ」



どこか突き放す様な言葉にムッとした私は、遥斗の手から逃れ顔を上げた。



「え……?」

「っ……下向いてろって言っただろーが……」



遥斗の顔を見た瞬間、私はポカンと口を開けながら固まってしまった。
< 147 / 430 >

この作品をシェア

pagetop