何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「もしもし……」

『梓沙……久しぶりだな』

「久しぶり……」



久しぶりに聞く遥斗の声。
少し元気がなさそうに聞こえるのは気のせいだろうか……。



『お前何で連絡してこねぇんだよ。
顔もださねぇし……契約違反だろーが』



不機嫌そうに言う遥斗。


契約違反……。
あぁ……“偽装恋人”の事か。


私は自嘲じみた笑みを零す。




「その事なんだけど……もう終わりにしようよ」

『……は?』

「だって彼女がいるのに“偽装恋人”を作る必要なんてないじゃない。
それに彼女が可哀想よ」

『は?お前何言って……』

「っ……とにかく!偽装恋人は終わりだから!
もう……会う事はないけど元気でね。
それと……レイヤを宜しくお願いします」




レイヤの居場所は何でも屋だ。
遥斗と一緒に沢山の人を笑顔にしてね。



「おい梓沙!さっきから何言って……」

「サヨウナラ!」



遥斗の言葉を遮って、無理やり電話を切る。


ツーツーと虚しげな機械音が響き渡る中私は力が抜けた様に笑い出す。
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