何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「梓沙」



走っていた足を思わず止めてしまう。


だって……。



「拓哉……さん……」



目の前には沢山のSPと拓哉さんがいた。
怖くなった私はレイヤの手をギュッと握りしめる。


抜け出した事がバレテしまった以上、ただでは済まないだろう。
それが怖くてまともに拓哉さんの顔を見ることが出来なかった。


でも……本当にこれでいいの?
このまま逃げていいの?



胸に突っかかる何かを感じたが私は黙ったまま下を向いた。




「大丈夫だ、梓沙。
……安心していい」



レイヤは自分の体で私を隠すとチラリと後ろを向く。
それは私ではなく遠くを見つめている様だった。



「まだこんな所にいたの!?」

「遅いぞ、カオル」

「遅いってアンタね……」



レイヤの先にいるのは呆れた顔をするカオルさんだった。


良かった……無事だったんだ……。
安堵のタメ息をつきながらカオルさんを見れば優しく笑みを浮かべてくれる。
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