何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
「……これは誘拐ですよ」

「何言ってんだよ?
お前が何も言わなければ誘拐じゃねぇよ」



ゲラゲラと笑いながら五十嵐さんは私を見る。


私が連れてこられたのは五十嵐さんの会社。
何でも屋だった。


私はソファーに座りながら向かいに座っている五十嵐さんを睨みつける。



「それより!!
何でセクハラがなくなった事を知っているんですか!?」

「馬鹿か。
そんなの考えれば分かるだろーが」

「分からないから聞いているんです!」



分かる訳がない。
私はエスパーじゃないもの。


五十嵐さんはからかう様に私を見ている。
勿体ぶっていないで早く教えて欲しい。
私の願いが通じたのか、五十嵐さんはゆっくりと口を開いた。



「俺があのセクハラを止めさせたから?」



何故、疑問形なんだ。
気にはなったがツッコむ気にはなれなかった。
それにセクハラを止めさせたのは五十嵐さんじゃない。



「何を言っているんですか。
セクハラを止めさせてくれたのは凩 冬人さんって人で……」

「ん?」



満面な笑みで私を見る五十嵐さん。
私はいつの間にか喋る事を止め彼を見つめていた。
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