何でも屋と偽りのお姫様~真実の愛を教えて~
凩 冬人と五十嵐 遥斗。



こがらし ふゆと。
いがらし はると。


何か似ているような気がする……。


え……?
まさか……。



「五十嵐さんが……凩 冬人……?」



恐る恐る口を開けば五十嵐さんはニッと笑った。
まるで悪戯が成功した子供の様な笑みだ……。



「ご名答~」

「……な……何で偽名なんて……」



これは素朴な疑問だった。


偽名を使う必要があったのだろうか?
そもそもあの社長は五十嵐さんを知らないはずだし……。


そう思っていれば五十嵐さんがその答えをくれる。



「面識はないがどこから情報が漏れるかは分からないからな。
五十嵐 遥斗だと万が一お前と繋がっているとバレたら厄介だろ?」



そう言いながら勝ち誇った顔で笑う。


そこまで考えてくれていたのか……。
五十嵐さんの思いがけない優しさに私の頬が緩んでいく。



「あの……ありがとうございます。
何かお礼を……」

「ばーか。
約束しただろう?
セクハラがなくなったら俺の言う事を1つ聞いてもらうって」

「……そんな約束していません」



確かにそんな事を言っていた記憶はある。
しかし、私は了承した覚えはない。


でも助けて貰ったのは事実だ。
だから……。



「でも分かりました。
私で出来る事なら……」



五十嵐さんが何を言うかは分からないけど助けて貰った恩は返さないと。
< 70 / 430 >

この作品をシェア

pagetop