男の秘密
慌てて部屋を出た優は、ドキドキしていた。

『自分の部屋に男の人が居る。それも飛びぬけてカッコイイ人』
部屋を出て、一人になると改めて忍の事を考える。

『今まであんな近くで男の人を見ることなんて無かったから、どうしたらいいんだろう』
『今頃ドキドキしてくるなんて、私って相当鈍い?』

『勝手に部屋に連れてきて、変な子って思われてるかしら・・・。』

買い物の道中優の表情は蒼くなったり、赤くなったりと百面相だ。

「!?」

道行く人の不思議そうな顔に、ここが外だと気付いた。
『恥ずかしい。・・・落ち着こう!とにかく落ち着こう!』
小さく拳を握り締め、ゆっくりと深呼吸した。

『今は、買い物に集中しなくちゃ』
目的地で、何を買うのかを考えながら歩く事にした。



買い物を済ませた頃には、ご飯の準備で頭が一杯になっていた。

両手一杯の荷物は重かったが、それ以上に久しぶりに誰かの為に買い物をする事に嬉しさを感じていた。

帰りの道は幸せの為かとても近く感じられた。
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