男の秘密
「じゃあ、食べに行こう。優は何が食べたい?」

促されるまま、部屋を後にして、車に乗り込む。

その頃には合鍵は優のカバンに納まっていた。

優の希望で、忍の行きつけの小料理屋にいく事になった。

本当は電車で行く方が便利が良いのだが、車に乗り込んだのでそのままいく事になった。

「こんばんは・・・空いてる?」

暖簾を潜って入ると、こじんまりとした空間が広がった。

カウンターは7、8席程あり、4人がけのテーブルが2つあり、テーブル席は一杯だった。

「いらっしゃい・・・おう!忍やないか。久しぶりやな!」

カウンターから威勢のいい声が聞こえて来た。

そこには、60前後の頑固そうな恰幅のいい男性が居た。

「重(しげ)さん、お久しぶり」

「おう、こっちや」

手招きされて、カウンターの奥の席に案内された。

一番奥に優が、その隣に忍が座ると、直ぐに暖かいお絞りが渡された。

「仕事忙しそうやな。何食べる?」

「うん。それなりに。重さんのお勧めで・・優も一緒でいい?」

「あ、はい」

「沙織、あれ持って来てくれ」

他の客の相手をしていた小柄で清楚な女性が、奥に入っていった。
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