男の秘密
「はい。なんでしょうか?」

『お願いって何だろう?』

何をお願いされるのか全く分からない優は、きょとんとした顔で忍を見つめた。

「敬語じゃなくて、普通に話して欲しいんだけど」

「え・・と。はい。・・じゃなくて・・・わかった」

急な申し出に戸惑い、しどろもどろにになりながら返事をする優を嬉しそうに見つめる。

『そうよね。友達だって、恋人だって普通、敬語は使わないわよね』

改めて考えると、自覚が足りないなぁと思う。




その後も少しずつではあるが、敬語を抜いて話すようになった。

『・・・やっぱり話した方が良いのかしら』

楽しい会話とおいしい料理につい、嫌な現実を忘れていたが、食べ終わって一息ついた時、ふと思い出してしまった。

「何か悩み事?」

考え込んでいる優が気になったようで忍が話しかけてきた。

「あ、えと・・ちょっとその・・・」

誤魔化すつもりはないのだが、どう話して良いのか困ってしまった。

「言いたくない?」

「いえ、違うんです。あ、ちがうの・・・その何から話していいか・・。ちょっと待って貰えますか」

『何処まで伝えたらいい?忍さん心配するわよね』

グルグルと考え出しかけたので、思いっきり頭を振って、考えを止めた。

「あの、私、最近ご飯を作ったら直ぐ帰るでしょ
実はあれ理由があって・・・」

隠しておいて忍を不安にさせるのと、話して心配させるのとどちらが良いのか分からないが、大事な人に隠し事を続けるのは苦痛なので、話すことにした。

優の話を最後まで聞いた忍は難しい顔をして口を開いた。

「それって、ストーカー?」

「たぶん。でも、今の所次の手紙が来ないので、被害はでていないの。
それと羽奈が調べてくれているから、犯人も分かると思うし、もう少しこのまま様子を見ようと思ってて・・・」

苦い顔をしている忍に、優は明るく伝えた。
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