男の秘密
「警察には相談した?」

「ううん。まだ、この位で警察が動いてくれるか分からないから」

「動く、動かないじゃなくて、万が一の事を考えて、届出だけでも出した方が良い
俺も一緒に行くから、日にちを決めよう」

「ありがとう。話してよかった」

ホッと息を抜いてふわりと笑う優。

「そろそろ出ようか」

立ち上がり、座敷を後にしようと襖に手をかけた優を、忍が後ろから抱きしめた。

「!?」

突然の事にビックリして固まってしまった優の耳元で忍の声が聞こえる。

「さっきの笑顔を見たら抱きしめたくなった。優不足だ。」

話すたびに吐息がかかり、体が熱くなる。

『これって何?』

体の火照りの原因が分からず動けない。

「優は?」

「・・・忍さん不足だったけど・・今は一杯過ぎて・・・」

腰が砕けそうになり、忍に寄りかかってしまっている。

「もっと一杯になるといい」

そう言って振り返らせた優の唇をそっと奪った。

それだけで優の腰が抜けるには十分だった。

ズルズルと忍にもたれ掛かったまま体が滑る。

忍が慌てて抱き直した。

「やばい」

忍がボソリと呟いたが、放心状態の優の頭には届かなかった。

蕩ける様な表情で自分を見つめる優に、忍の理性が吹っ飛びそうになり慌てる。

自分の中ではどんな事があっても、絶対大丈夫だと思っていたので今の状況に愕然とした。
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