男の秘密
『やっぱり私何かしたのね』

「違う。俺がしたんだ」

「え?」

「・・・距離感が掴めなくなった」

クシャリと前髪をかき上げながら困った顔をしている忍。

「距離感?」

「近づき過ぎて・・自制が出来ない」

きょとんとしていると、忍がフイっとそっぽを向きながらボソリと呟いた。

「近づきすぎると、キスしたくなって、でもそれだけじゃ止まらない」

その言葉を反芻して茹蛸のようになってしまった。

何か言おうと口を開くが、口から言葉は出ず、鯉のように口をパクパクとするしかなかった優の方を忍が見た。

「暫く距離を置こう」
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