男の秘密
見られている事に気付いた忍がこちらを見た。

『どうしよう』

恥ずかしくて目を逸らしたい気持ちと、もっと見ていたい気持ちの両方が同じ大きさで優の中にあった。

その戸惑いに反応してか、忍の瞳も揺れているように思えた。

「忍さん」

名前を呼ぶと、心が揺らいでいるのが今度はハッキリと分かった。

「忍さん・・私・・」

そう言いかけた時、忍が顔を背けようとするのが分かった。

『また離れて行ってしまう!』

考えるより先に体が動いていた。

少し先にある、忍の唇に触れるようにキスをする。

直ぐに離れてそっと目を開けると、そこには目を見開いて驚いている忍の姿があった。

『!私、間違えた?』

不安になって、身を引こうとしたその瞬間、優のキスとは比べ物にならない濃厚なキスをされた。

息継ぎが出来ず開いた唇の隙間から舌が滑り込み、優の舌を探すように動きまわる。

驚いて固まっている間に絡めとられ、何も考えられなくなる。

「ん・・・ふぁ・・」

花火の音の間に甘い声が漏れ聞こえる。

どの位キスが続いたのか分からないが、体から力が抜け、完全に忍に体を委ねていた。

「悪い。止まらない」

「え?」

ぼんやりとした頭で聞き返すように顔を上げると、忍がキスを落とす。

体の芯がジンとするような濃厚なキスに体が熱くなる。

『私、どうしたんだろう』

考えが纏まらないまま、忍を見つめるうちに、そのまま意識が無くなった。
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