男の秘密
気付くと忍の車の中だった。

「私・・・。」

今の現状を思い出し、真っ青になる。

『キスで気を失うなんて・・・』

恥ずかしすぎるのと情けなさ過ぎるのとで涙が浮かんできた。

「ごめんなさい。迷惑かけて・・・」

シートから体を起こして、運転する忍の横顔に向かって話す。

神社で意識が無くなってから、忍は自分を車まで運んだのだ。

神社まで結構な距離があったのに、意識の無い自分を運ぶのは、さぞかし大変だった事が用意に想像出来た。

「迷惑じゃない。でも困ってる」

運転中だからかもしれないが、優の方を全く見ずに話す忍に胸が痛んだ。

「困らせてごめんなさい。でも、嫌いにならないで」

運転中なのに、自分の事を見て欲しくて、忍のジャケットの裾を引くと驚いた顔をして優を見る。

そして路肩に車を止めた。

「嫌いになる訳無いだろ。寧ろ・・・更に好きになって困ってる」

「え?好きになって困るの?」

溢れだしていた涙が、忍の言葉に驚いてピタリと止まり、不思議そうな顔になる。

「困る・・・」

1度優の方を見たが、直ぐに顔を逸らせて本当に困った顔をしている。
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