男の秘密
「どうして?・・・私は、忍さんと・・・その、キ、キスの先もしたいと思ってるわ」

「優!?」

優のものとは思えない大胆な発言に忍は目を見開いて驚いた。

「私、この前、忍さんに『距離を置こう』って言われて凄くショックだった。
それで、どうしたら・・その、距離を置かれないか考えたの。
自分なりに考えて・・
その・・・わ、私から言い出せないから、忍さんから・・その・・・そうなるように・・え・・と
羽奈に相談して・・・それで・・・あの・・・」

俯いて膝の上で握り締めている手を見つめて必死に話そうとするが、心臓が暴れだして、息苦しくなり、話す内容も纏まらないまま、言葉だけ零れ落ちるように出る。

『あぁダメだわ。このままじゃ、忍さん呆れてしまう』

「優、今の話だと・・その、夏祭りは俺を誘う口実だったのか?」

意図は何とか通じたのだと分かり、コクリと頷くが、顔は上げられない。

「初めてが俺でいいのか?」

「は、初めては・・し、忍さんがいいの!」

もう感情がぐちゃぐちゃになって、涙がボロボロ出てきてしまう。

「嬉しい。ありがとう」

そう言って抱きしめられた瞬間涙が更に溢れて止まらなくなった。

暫く涙が止まるまで抱きしめてくれたお陰で、気持ちも落ち着いた。

「あの、また迷惑かけて・・ごめんなさい」

「迷惑じゃないけど・・・ちょっと車出してもいい?」

「あ、ごめんなさい。これじゃぁ車出せないわね」

慌てて忍から体を離した。
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