男の秘密
差し出された水の入ったグラスを受け取り、一口飲んでからゆっくりと口を開く。

「今日、会社のアドレスに知らないメールが届いたの。
 羽奈に送る前に読んだら・・・
 忍さんの名前が書いてあって・・・それで、忠告を聞かなかったら制裁を加えるって」

「制裁?」

「何が起こるか分からなくて・・・。
 制裁の内容で、忍さん相当なダメージを受けるって・・・
 それが怖くて」

グラスを持つ手が小刻みに震えていたので、羽奈は優の手からグラスを取り、テーブルに置いた。

「そのメール、私の所には転送されていなかったわ」

「眩暈と吐き気がしたから、送る事が出来なくて・・ごめんなさい」

「ううん。良いの明日、出社したら確認しておくから
 優は、明日仕事になりそうに無いから、会社を休んだ方がいいわ」

「でも・・」

まるで、母親が娘にするように、肩を抱き寄せて、頭にキスをしながらあやす様に言う羽奈に、食い下がろうとする。

「また倒れたら、みんなに心配をかけるわ。
 それに、その酷い顔、みんなに見せるの?」

 悪戯っぽく覗き込んできた羽奈にハッとした。

「・・・休むわ」

意地を張って、会社に行っても、仕事にならない事は分かりきっているし、それによって周りに迷惑がかかる事も想像できるので、大人しく従う事にした。

その後二人は気を取り直そうという事になり、何時もの家飲みを始め、それは優が眠る深夜まで続いた。
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