男の秘密
「朝ごはん食べた?」

「え・・」

驚きで頭が真っ白になった優は、ぽかんとした顔で忍を見た。

「俺、朝ごはん食べてないんだけど、優は食べた?」

もう一度優の顔を見て、優しい顔でそう聞いてきた。

「あ、いえ、バタバタしてて、食べ損ねて・・・」

朝の騒動を思い出し、恥ずかしくなり語尾が小さくなっていく。

「良かった。朝食買ってたんだけど、出すの忘れてて」

路肩に停めて後部座席から紙袋を持って来た。

「良かった。」

「え?何か言った?」

「いえ、何かいい匂いがすると思って」

呆れられたと思っていたが、そんな事は無かったので、明らかにホッとした優。

「クロワッサンサンド」

「これって、有名なお店じゃないですか。良く買えましたね」

「うん。ちょっとツテがあって、予約出来たんだ」

『超が付く人気店に予約が出来るって、どんなツテなんだろう』

美味しいクロワッサンサンドを頬張りながら、ぼんやりとそんな事を考えた。
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