男の秘密
「忍さんは優しいですね」

「優限定かもしれないよ」

悪戯っぽく笑いながら話す忍と目が合い、更に真っ赤になる優。

「お、お腹空きましたね。お弁当食べましょう!」

『動揺し過ぎだわ。忍さんに変に思われてしまう』

慌てて忍から視線を外し、お弁当を広げる。

お弁当を食べ始めるが、暫くは緊張して何も話せないどころか、味もよく分からなかった。

忍も殆ど話しかけてこなかったが、嫌な静けさでは無く、むしろゆっくりと食事を味わったり、周りの景色を眺めたりする時間で、寛(くつろ)ぐ事が出来た。

「忍さんって結構食べるんですね」

持って来た重箱が空になったのを仕舞いながら話しかける。

食事が終ると、何事も無かったように普通に話せるようになっていた。

「美味しくて、食べ過ぎたよ。お腹がキツイ」

苦笑しながらゴロリと横になった。

「久しぶりだ。こんなにゆっくりしたの」

晴れ渡った空にはくっきりとした雲が浮かび、鳥の囀(さえず)りが聴こえてくる。

少し坂になっている場所なので少し目線を提げると、先ほど歩いて来た花畑が一望出来る絶景ポイントだ。
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