男の秘密
『羽奈以外の人にクッキー食べて貰えるなんて』

色々考えて落ち込み気味だった気持ちが、一気に晴れた優は、午後の仕事をテンポ良くこなす事が出来た。

羽奈からは、一旦自宅に戻ってから優の家に向かうとのメールが入っていた。

『羽奈の好きなものは・・・』

帰りに最寄のスーパーで、酒のあてになりそうなもので、羽奈の喜ぶものを購入した。

羽奈は料理の腕はプロ並みなのに、自分の為に料理をする気になれないと言う理由で、自炊はしない。

食事には気を使うが、外食生活だ。

行きつけの店で栄養管理をして貰い、朝ごはんまで食べているらしい。

社食も極力使わないで、朝ご飯のついでに昼ごはんを作って貰うらしい。

『凄い付き合いよね。もう家族同然かしら』

自宅に帰って、すぐに料理に取り掛かる、金平を作りつつ、カレイの煮付けを作る。ガスコンロが2口なので、その間に大根のサラダを作る。

黙々とつまみを作っていると、室内にチャイムの音が響き、羽奈が来た事に気付く。

『もうそんな時間?!』

時計を見ると、7時30分を過ぎていた。
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