一途な御曹司に身も心も奪われ虜になりました
「現在誰と誰が付き合っているかなんて、そんな情報公にする必要ってある?!」
「そうだね。破局した時に削除するのも切ないし、あのパソコンのせいでもめ事も起きるんだよね…」
いつだったか、恋人登録してあったのに堂々と略奪された、って怒鳴り込んで来た人がいて、その後、当人たちを集めたら殴り合いの修羅場と化したことがあった。
そういったもめ事に対応するのも推進課の大事な役割だけど、事の収集は結構大変で…。
会長曰く、『恋愛でのゴタゴタを仕事に持ち込ませないため推進課が必要』らしいけど、仲裁に入る推進課の身にもなってくれって思う。
「美羽は苦労するよね。変な部署に配属されて」
「はは…ほんと、そうかもしれないね」
苦笑いで答えると里香は周りをキョロキョロと見まわし、近くに社員がいないことを確認してから口元に手を添えて、小声で「ここだけの話…」と言い出した。
「『反対派』が結束して動き出してるらしいわよ」
反対派とは、里香と同じように社内恋愛が昇進に響くことを変だと考える人や(決してそんなことはないのだけど)、社内恋愛が上手くいかなかった人たちのこと。
「推進課に優秀な人材を割いていることも気に入らないのよ」
「あぁ。他の3人は実力者だから」
私の言葉を里香は笑って否定した。
「なに言ってるの。美羽も優秀だよ。現に美羽を含めた4人の争奪戦が裏ではじまっているんだって噂。はぁ。まったく羨ましい限りだわ」
「え?裏で、って、もう動いてるの?」