One more kiss
話がまとまった所で、三人一緒にエレベーターホールの先にある階段室目指して歩き始めた。
「麻耶ちゃんは帰りは何?電車?」
「ええ」
「私らはバスなんだ」
「あーあ。売れっ子だったら、専属マネージャーが送迎してくれたり、事務所がタクシーチケットくれたりするんだけどねー」
そんな会話を交わしつつ、一階分下りた所で、先頭を歩いていたユミさんが何故か踊り場でピタッと立ち止まった。
「ん?どうしたの?」
サヤカさんが不思議そうに問いかける。
「あのさ、二人にだけはぶっちゃけちゃうけど……」
私達を手招きして壁際まで誘導し、囁き声でそう前置きした後、彼女は続けた。
「今回のグランプリ、安生プロダクションの後藤愛莉が取るよ。ほら、発表の後に、うざいくらいにはしゃぎまくってた子」
「え?何それ」
「だってこのオーディション、あの事務所と出版社が仕掛けたデキレースだから」
「えぇ!?」
私とサヤカさんは同時に驚きの声を上げた。
「事務所側は自分の所の新人を『高い倍率を勝ち抜いて栄光を掴み取ったシンデレラ』っていう箔を付けて売り出す為に、そして出版社側はその話題性に乗っかって、新創刊の雑誌の発行部数が伸びるように、このオーディションを開催したって訳よ」
「つまりどんなに頑張ってもグランプリは無理だったって事だよね?うわー。すっごい時間のムダ遣いをした気分」
「麻耶ちゃんは帰りは何?電車?」
「ええ」
「私らはバスなんだ」
「あーあ。売れっ子だったら、専属マネージャーが送迎してくれたり、事務所がタクシーチケットくれたりするんだけどねー」
そんな会話を交わしつつ、一階分下りた所で、先頭を歩いていたユミさんが何故か踊り場でピタッと立ち止まった。
「ん?どうしたの?」
サヤカさんが不思議そうに問いかける。
「あのさ、二人にだけはぶっちゃけちゃうけど……」
私達を手招きして壁際まで誘導し、囁き声でそう前置きした後、彼女は続けた。
「今回のグランプリ、安生プロダクションの後藤愛莉が取るよ。ほら、発表の後に、うざいくらいにはしゃぎまくってた子」
「え?何それ」
「だってこのオーディション、あの事務所と出版社が仕掛けたデキレースだから」
「えぇ!?」
私とサヤカさんは同時に驚きの声を上げた。
「事務所側は自分の所の新人を『高い倍率を勝ち抜いて栄光を掴み取ったシンデレラ』っていう箔を付けて売り出す為に、そして出版社側はその話題性に乗っかって、新創刊の雑誌の発行部数が伸びるように、このオーディションを開催したって訳よ」
「つまりどんなに頑張ってもグランプリは無理だったって事だよね?うわー。すっごい時間のムダ遣いをした気分」