One more kiss
「だったらモデルじゃなくて、アイドルのカテゴリーで売り出して欲しかったわよね。こっちのテリトリーを荒らすなっつーの」


はぁ~、とため息を吐いてからサヤカさんは続けた。


「でも…。それって一体どこで仕入れた情報なの?」

「あ、ごめん。ソース元についてはちょっと明かす事はできないんだ」


少し慌てたようにそう断りを入れてから、ユミさんは話を進める。


「でも、そう遠くない未来に、私の言っていた事は正しかったんだって認識できると思う」

「それが分かってても受けに来たんだね、ユミちゃん」

「だって、そんなのこの世界じゃ、別に珍しい事でもないでしょ?」



ユミさんの口調はまるで自分で自分に言い聞かせているかのようだった。


「それに、グランプリ以外にも準グランプリや、その他色々賞があって、何人かは専属として選んでもらえるし。そのメンバーが全員あらかじめ決まってるって訳ではないみたいだからね。そこに潜り込めるのを期待してたのよ」

「んー…。それにまぁ、最終選考まで残ればテレビとか雑誌の取材が入るもんね。オーディション自体はダメでも、そこでどこかの誰かの目に止まれば、別の仕事に繋がる可能性もあったし」

「そうそう。って、まだ二次の段階で落っこちてたら全然意味がないんだけどさ」


苦笑いを浮かべながらユミさんは話のまとめに入った。
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