婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

入院から十日して、ようやく私は退院の日を迎えた。

これでやっと、圭司と同じベッドで眠ることができる…
今の私は、何よりもそれが待ち遠しかった。

卵巣の腫れも治まり、激しくしなければエッチもしていいとのことで…

とにかく、久々に私は圭司の胸の中で甘えたかった。


「なつ もう荷物まとめられた?」

圭司が退院の手続きを終えて、病室へと戻ってきた。

「もうとっくに終わったよ 早く帰ろ」

浮かれた声で私が言うと、圭司がフフっと笑った。

「そんなに退院が待ち遠しかった?」

「そりゃそうだよ ずっとベッドに縛りつけられてたんだから~ これじゃ体がおかしくなっちゃうよ…」

「それ逆だろ? 体がおかしくなっちゃったから、ベッドに縛りつけられてたんだろ…」

「えー でも 私、元気だったんだけどな~ 入院するほどでもなかったし、わざわざこんな贅沢な部屋まで…あっ そう言えば、いくらかかったの? この部屋って」

そう 私はずっと気になっていたのだ…
圭司は手にもっている領収書を見ながらポツリと言った。

「60万…」

「えっ そんなに…」

予想以上の金額に、私はしばらく固まってしまった。

「いいんだよ 家にいたらなつは絶対無茶するんだから 入院中も一緒に泊まれたんだし、安いもんだよ… ほら もう 時間だから行くぞ…」

圭司は荷物を肩にかけて、私の手を引きながら廊下へと出た。

「でも それにしたって… 60万だよ!? 圭司、60万がどれだけ大金か分かってる~?」

「なつ 恥ずかしいからやめて… 皆見てるから…」

「えっ…」

圭司に言われ周りを見渡すと、近くにいた看護士さんたちがクスクスと笑っていた。

私達は、逃げ込むようにエレベーターへと乗り込んだ。

「まったく、うるさい口だな…」

圭司は、私の顎を持ち上げて唇を塞いだ。

「どんなに大金だろうと、なつの為ならいくらだって惜しくないんだよ…」

ドアが開く直前、圭司はようやく私の唇を解放した。

あまりにも甘ったるいキスに、私の頭は、もう何も考えられなくなっていた。
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