婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
別荘に着くと、父と母がニコニコしながら私達を出迎えてくれた。
「お父さん、お母さん… 今回は無理をきいて下さってありがとうございます。」
圭司が父と母に向かって頭を下げた。
「いやいや、礼を言わなきゃいけないのはこちらの方だよ。もう 親らしいことなんて、なつにはしてあげられなものと諦めていたけど、こうして頼ってもらえて本当にありがたいと思ってるんだ。ありがとな 圭司くん…」
「ほんとね 圭司さんのおかげよね 感謝しないとね…」
「いえいえ とんでもない…」
しばらくの間、こうして三人は頭を下げ合っていた。
そんな様子を、黙って見つめていると…
「なつは、さっきから圭司さんに見とれてばかりね… まあ こんなに格好いい旦那様じゃ無理もないけれど…でもこれじゃ、二週間も離れてたらホームシックになっちゃいそうね?」
母からの鋭い指摘にドキッとなった。
「もう お母様!」
クスクスと笑う母に、私の顔はみるみる赤くなっていく…
図星なだけに、何も言い返せない…
「まあまあ 夫婦仲が良くて何よりじゃないか… 圭司くんもなつを大事にしてくれているし、私はもう何も心配いらないみたいだな… なつの上司のパワハラだって、圭司くんが解決してくれたんだから…」
そんな父の言葉に、母がすかさず口を挟んだ。
「でも なつは、ずっと圭司さんにも黙ってたんですってね… 昔から、そういうことを一人で我慢しちゃうんだから この子は… なつ… これからは、ちゃんと圭司さんに何でも相談しなきゃダメよ!」
「うん 分かってる…」
「圭司さん、この子は、とにかく不器用で、泣き虫で、甘えん坊で、おまけに世間知らずなんですよ。ちゃんと圭司さんの妻として、務まっているのか今でも心配だわ…。たいして花嫁修業もさせずに嫁がせてしまったこと、今更ですけど申し訳ないと思っています。」
頭を下げる母に、圭司が口を開いた。
「はい 確かになつは、不器用で、泣き虫で、甘えん坊で、おまけに世間知らずです…」
ちょっと、圭司!!
確かにその通りだけど、いくらなんでも正直すぎるよ…
私の両親の前なんだから!!
あたふたする私の方をチラッと見ながら、圭司はフッと笑って続けた。
「でも、僕にとっては、最高の妻です。お父さんとお母さんに大切に育てられたなつは、太陽みたいに暖かいですから…。彼女といると自然に笑顔になって、僕は一生幸せでいられると思います。」
「圭司…」
胸が熱くなって、涙が出そうになった。
「そう…ですか」
圭司の言葉に涙ぐむ母を、父が抱きよせて微笑んでいた。