婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
◇◇◇
「では 今月の目標達成とブライダルフェアの成功を祝して乾杯ー!」
企画部部長のかけ声と共に、皆が一斉にグラスを傾けた。
圭司に別れを告げられた私だけが、まるで 抜け殻のように、ただ皆が盛り上がる様子をぼーと眺めていた。
昨夜は一睡もできなかった…。
この週末に圭司は家を出て行くと言っていた。
マンションや貯金は、全てなつの自由にしていいからと…。
会社へは、しばらく近くのウイークリーマンションから通うらしい…。
そんな事を言われたって、何一つ 頭がついていけない…。
圭司がいなくなるという現実を前に、なすすべもなく時間だけが過ぎ去っていく。
私は、生ビールの入ったグラスを手に取り、一気に口の中へと流し込んだ。
ここ最近、ろくに食べていなかった私の胃が素直に受け付けるはずもなく、すぐに気持ちが悪くなった…。
何 やってるんだろう…私
トイレから出て、廊下をフラフラ歩いていると向かいから、松井くんがやってきた。
「おい! なつ 大丈夫かよ!」
私の体を支えながら、松井くんが言った。
「松井くん…私ね もう 圭司とだめになっちゃった 別れようって言われちゃったよ」
ふふっと笑った私の目からは、涙がポロポロとこぼれ落ちていった…。
◇◇◇
ふと 気づくと、私はベッドの上にいた。
ここは一体何処だろう…?
キョロキョロと見慣れない部屋を見渡していると、ドアがガチャと開いた…。
「やっと 起きたか…。」
そう言って、入ってきたのは松井くんだった。