好きやった。
「あの子のことが羨ましかった。あの子みたいに月島に好いてもらいたいって、思ったりもした。でもそんなん叶わんから……やから、ちょっとでも月島のそばにいたくて、平気なフリして友達としてそばにいようって思った」
どれだけつらくても、簡単に消せない想いを抱えたまま月島のそばにいた。
月島はウチにとって大事な友達やから、そばにいる理由はそれでいいと思っていた。
彼女になれないウチは、友達という関係にすがることでしか月島のそばにいられないから……。
「……ちゃんと友達として、月島の恋は祝福しとるつもりやったよ。喧嘩したら仲直りしてほしいって思ったし、プレゼント選びだって適当に付き合ったわけとはちゃう」
言い訳がましいって思う?
でもな、これもほんまに思ってたことなんやで。やけどな……。
「……やけどな……、心から祝福だけはできやんだ。よかったやんって一緒に喜びながら、本当は苦しくてしゃあなかった」
これも、本音なんや。
嫉妬でぐちゃぐちゃで、月島の前では気持ちを偽ってばかりだった。
「……ウチな、ええやつなんかとちゃう。月島が大事な友達って思ってくれとる井ノ原のイメージとは、全然ちゃうんやよっ……」
背中を押すフリをして、ほんまはその背中を掴みたかった。
あの子ばかり見ないで。そばにおるウチにも、月島の心をちょうだいって。
あの子に向いた意識を自分の方に引き寄せたくて仕方がなかった。
……そんな、ずるいウチだから。
さっきまでの月島の優しい言葉を受け取る資格なんてない。
友達でいたかったくせに、その唯一の居場所さえも、いつしか自分の手で汚してしまっていたんだ。