好きやった。


心の奥底に溜まっていた気持ちを好き勝手言い終えると、月島の背中に当てていた額を離して、ダウンジャケットからも手を離す。


……もう、終わりやね。


「井ノ原、俺……」


しがみついていたウチから解放された月島が、ゆっくりと振り返る。

困ったような顔でウチを見るけど、言葉の続きはなかなか出てこない。何を言えばいいのかわからない、と思っているのは明らかだった。

……ごめんな、ウチがそんな顔させとるんやね。

でももう……終わるから。
そうすればすぐに、困る必要なんてなくなるよ。


「……幻滅したやろ? ウチ、最低なやつなんやよ」

「そんなこと……」

「ううん、最低やよ。自分が一番ようわかっとる」


足元の地面を見ながら自嘲した。

そして下を向いたまま、またあの無意味な作り笑いを見せる準備をする。

ウチの恋を終わらせる……そのための言葉を言うために。


……ああ、ほんまに、これで終わるんやろうな。

想いを伝える前に失恋して中途半端に残っていた、月島への一方通行の恋心も。

ウチらの……友達としての関係も。

これで終わる。

気持ちを伝えてしまったら終わりが来ることを、ウチはちゃんと予感してたよ。


「……もう、月島のそばにおれやん」

「なっ、何言ってんだよ……」

「もう、友達やめよう」

「だから、なんでっ……」

「だって月島、ウチに好きって言われて困ったやろう?」

「っ、それは……」


図星だと自白するように月島が狼狽える。

わかりやすすぎるよ、月島。
でも、嘘なんてつけやんのがアンタのいいところやとも思う。


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