カリスマ社長に求婚されました
相良さんに連れていってもらったお店は、本社ビルから歩いて五分ちょっとの距離にある。

周りはショップやカフェなどが立ち並ぶ賑やかな通りで、ふたりで並んで歩いていると、かなり視線を感じた。

「相良さんって、やっぱり目立ちますね。さっきから、女の人がチラチラ見てます……」

隣にいる私は、どんな風に見えているのだろう。

まさか、恋人とは思えないだろうから、上司と部下といったところかも……。

それを考えたら、なんとなく離れて歩いてしまっていた。

「そうかな? そうだとしても、関係ない。オレには、茉奈ちゃんしか見えないから」

と相良さんは言ったあと、私の手を強く握った。

「茉奈ちゃん、今少し離れたろ? 余計なことは、考えないでほしい。オレは、きみが好きだと言っているのだから」

「はい……。ありがとうございます」

相良さんは、一瞬のことでも気づいていたんだ。

出会ったころからいつも、私を分かってくれる。

どうして……?

「相良さん、会社の人に見られちゃうかも知れないですよ。手を離さないと……」

店に着き、相良さんの手をほどこうとすると、その手に力をこめられた。

「オレは、オープンにして付き合いたいんだけど、茉奈ちゃんはイヤかな?」
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