世界の終わりに
ー……このマグカップは、僕の恋人とお揃いで揃えた。
一口飲んだマグを私はテーブルに置いた。
「あの写真の女性ですね。」
ー彼女はもうずっと前に死んでしまった。もうずっとだ……。
教授は窓の外をみていた。
その先には丘があり、墓地がある。
「あの墓は彼女の墓なんですね……」
ー僕が彼女を埋めたんだ。彼女は最後まで美しかった……
「その女性と最後の時を過ごす為に
私を作ったのですね?彼女の名前はユーリなのでしょう?」
教授はしばらく黙っていた。
静かな時間が過ぎたあと、彼は窓から私に視線を移した。
ー……君は、彼女にそっくりだけど
コーヒーの入れ方だけは似なかったね。
こんなに不味いコーヒーを飲んだのは
生まれて初めてだ。