そのキスで教えてほしい
「ぐ、偶然! 崎坂と飲みに行こうって話をしてて、その時そばに鈴沢さんがいて、それで同じ課の女の子をと思って木村さんに声かけたんだよ」

木村さんの仕草に一瞬心を奪われていた湖島さんが、瞬きを数回してから答えた。

まあ、間違ってはいない。本当に偶然あの時私が崎坂さんの隣にいて、ちょうどいい! なんて言われて行くことになってしまったんだから。

「なんか不思議なメンバーだなって思ってたんです」

「突然だったからね。でも繋がりはあるよ。俺と崎坂は仲いいし、三人は同じ課だし……あっ、鈴沢さんと崎坂はこの前、朝仲良く出勤してたよな」

「そうなんですか?」

にやりとした湖島さんと、窺うような木村さんの視線が崎坂さんと私へ向く。

私は慌てて両手と首を振った。

「いえいえ、あの時はたまたま会社の前で会って、そのままなんとなく一緒に歩いていただけですから!」

変な誤解をされたら困ると思い必死で答え、崎坂さんに視線向けると、彼は唇の端を持ち上げる。
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