そのキスで教えてほしい
こういうときに気を紛らわすことといえば、やっぱり仕事しかない。そんな自分がちょっと悲しい気もするけれど、とりあえず今はパソコン画面に集中することにした。
「お疲れ様でした」と周りの声を聞いて、それから二時間ほど残業をした。
課に残っているのは、私を含めて三人程度。
ふう、と一息吐いて首を回し、そろそろ帰ろうかなと思ったとき、ふと隣の崎坂さんのデスクから妙な音が聞こえた。
なんだろう? そう思って音の原因を探していると、ファイルが震えている。
人のデスクだし、勝手に触るのはいけないけど……その音の正体はもしかして、と思った私は片手でそっとファイルを開いた。
間に挟まっていたのは、崎坂さんのものと思われるスマートフォン。マナーモードのそれが震えていたのだ。
やっぱり、と思った私はそれを手に取った。
画面には私が住んでいる辺りの局番から始まる番号が出ていて、これは崎坂さんが自宅から掛けているのかもしれないと思った。
どうしようかなと少しの間躊躇ったけれど、こうして発見してしまって知らないフリはできないなと思った私は、軽く深呼吸してから電話に出た。
「もしもし」
『あ……鈴沢、か?』
電話に出た私にちょっとだけ迷うように反応した声は、崎坂さんだった。
「お疲れ様でした」と周りの声を聞いて、それから二時間ほど残業をした。
課に残っているのは、私を含めて三人程度。
ふう、と一息吐いて首を回し、そろそろ帰ろうかなと思ったとき、ふと隣の崎坂さんのデスクから妙な音が聞こえた。
なんだろう? そう思って音の原因を探していると、ファイルが震えている。
人のデスクだし、勝手に触るのはいけないけど……その音の正体はもしかして、と思った私は片手でそっとファイルを開いた。
間に挟まっていたのは、崎坂さんのものと思われるスマートフォン。マナーモードのそれが震えていたのだ。
やっぱり、と思った私はそれを手に取った。
画面には私が住んでいる辺りの局番から始まる番号が出ていて、これは崎坂さんが自宅から掛けているのかもしれないと思った。
どうしようかなと少しの間躊躇ったけれど、こうして発見してしまって知らないフリはできないなと思った私は、軽く深呼吸してから電話に出た。
「もしもし」
『あ……鈴沢、か?』
電話に出た私にちょっとだけ迷うように反応した声は、崎坂さんだった。